▽
天草って・・・てんぐさ・寒天の原料・とことてん(心太)の原料
: 天草(てんぐさ)という食品は存在しません :
一般にてんぐさと言う食品(食材)は存在しません。
てんぐさとは
海中に存在するテングサ類という海草の仲間なのです。
(てんぐさという固有の海草もなく、正確にはてんぐさ類との事です)
一般の消費者の方には、ところてん(トコロテン・心太)、寒天と言った方が
判りやすいですよね。
原料 |
加工原料 |
一次製品 |
二次製品 |
てんぐさ |
|
ところてん・(心太・トコロテン) |
|
(天草) |
さらしてんぐさ |
寒天(角寒天・糸寒天・粉寒天) |
ぜりー・羊羹 |
原草 |
原料 |
商品 |
商品 |
このテングサを、地下水で洗い、天日で干す事を4回から5回繰り返すことで、
サラシ(晒し)天草が出来上がります。
この作業を津和地では単に
さらすと言っています。
当小方海産のような加工業者では、乾燥のみの、てんぐさを
原草(げんそう)と呼びます。
 |
 |
磯から上がりたてのてんぐさです。
海の中ではこの様に赤紫色をしています。
乾燥しただけでは色の変化は有りません。 |
水洗いと天日干しを繰り返すこと4回から5回。
このようにアメ色になります。
刈藻天草の出来上がりです。 |
: ところてんと寒天とは原料は同じ :
ところてんも寒天も原料は同じ天草(てんぐさ)なんです。
その違いは製造方法にあります。
ところてんを寒晒し(凍らして乾燥させる)したものが寒天となります。
したがって、寒天の生産地は長野県や岐阜県など寒冷地が主産地となります。
理屈から言えば、
ところてんから、寒天は家庭の冷凍庫でも出来るのです。
寒天は寒晒ししているので磯の香り風味は殆ど残っていません。
又、凍結乾燥のためところてんの持つ弾力性が無くなってしまいます。
しかし、寒天は癖のない味(殆ど無味無臭)のために主に、デザートに用いられています。
最近では、輸入物の天草が国産を大幅に上回っているようです。
国内の産地では、静岡伊豆半島・東京伊豆諸島などが有名な産地ですが、
勿論、かりも天草のように瀬戸内・愛媛も国内の主産地となります。
しかし、てんぐさはその製造工程から機械化することは難しく、量産できるものでもなく、
風味と腰のある国産は主に、ところてんの原料。風味が無くても素材の特性のみ活かす
ことの出来る輸入物は、寒天として加工されているようです。
: ところてん(心太)と寒天の違い :
食品100g当り成分
文部科学省開発
食品デーダーベースより抜粋
上の食品成分表を見る限り、栄養的にはところてん(心太)、寒天とも差ほどの違いは
見られません。共に言えるのは双方とも、カロリーが略ゼロに近い(ノンカロリー)である事。
同じ天草(てんぐさ)より作られる、ところてん(心太)、寒天とも栄養学的には遜色は無い
訳ですから、最後は、消費者の皆様のお好みとなるでしょう。
食材の材料としての違い(さらしてんぐさと寒天)
種類 |
風味・味覚 |
入手のしやすさ・種類 |
こだわり
手軽さ |
さらしてんぐさ |
風味もあり腰がある |
一般の店舗では晒し(さらし)天草は見かけないが、タレ付きの商品が有る。 |
てんつき
夏の味覚 |
寒天
(材料) |
癖が無く、腰に欠ける |
角寒天・粉寒天・糸寒天
通常の量販店でも手に入る |
手軽に調理できる。 |
昔から日本人は、夏の食欲の無い時節には、ところてんを三杯酢にて食する文化が
あったようです。しかし最近は、伝統・風土といった趣よりも、ダイエット食材として注目を
集めているのが、このてんぐさ類のようです。
しかしながら、風味と食感と、こだわりを持って作るのであれば、晒してんぐさから、寒天類
や、ところてんを作ってみるのも如何でしょか。